離婚の遠因 話を聞いてくれない

離婚になりやすい夫婦の問題「話を聞いてくれない」 仲が悪くなるご夫婦一つ一つの事実経過は全く違うのでパターン分けすることは出来ません。離婚事件は男女(夫婦)の組み合わせの問題なのでそんなに簡単ではないです。しかし,その原因をさぐっていくと一般論として他の人にも当てはまることもあるように思います。今回は離婚の遠因の一つともなりうる夫婦間の問題について書いてみました。

夫が話を聞いてくれない

妻は「夫が私の話をきいてくれない。」といい,夫の方は「妻の話は聞いてますが,私の意見を言っても絶対に聞かないし,同じ話の繰り返しだからやめようと言ってもやめてくれない,ケンカにならないように別の部屋に逃げても追いかけてきて同じ話を続けてくるので,段々エスカレートしてケンカになってしまいます。」という。もちろん妻と夫が反対の場合もよくあります。

こういうことは珍しいことではなく良くある話です。「自分の意見がとおらない。」「相手が譲らない。」ということを「自分の話をきいてくれない。」と相手が悪いかのように表現する人がたくさんいるのです。 確かに「話をきく」という言葉は,「耳で聞く」という意味の他に「相手の要求をききいれる」「意見に応じる」という意味で使われることもあります。「親の言うことをききなさい。」というときの使い方ですね。 しかし,対等な立場の夫婦には配偶者の意見や要求に応じなければならない義務はありません。配偶者が自分の意見を持っているのは当然なので同意してくれなくても仕方ありません。つまり「私の意見に同意してくれない。」のは相手も平等な立場で自分の意見を持っている以上当然のことです。それを怒るのは自分の意見が絶対に正しいから相手は従うべきだと思っているからですが,相手も自分が正しいと思っているのです。

「他人は自分の言うことは聞いてくれない」と思うところからスタートしましょう。だから、「説得」するのです。「説得」の方法には、そうする必要性を説明する、合理的な理由を説明する、他の方法よりもこの方か有利だとか得だと説明する、情に訴える、金を払うなどいろいろなテクニックがあります。夫婦間の説得方法は会社間の交渉で相手会社を説得するのと基本的に同じことなのです。それなのに家庭の中だと「相手が私の言うことを尊重すべき。」と甘えてしまうから失敗するのです。

話合い

夫婦は協力して一つの家族となり子供を育てたり一緒に生活していく単位です。夫婦は平等である以上、夫婦(家庭)の問題はまず夫婦で話し合って解決することです。夫婦で話をしても合意できないときは,双方またはどちらかが譲らない限り合意には達しません。どうしてもお互いに譲れないときは合意して変えることができない以上そのまま現状維持となります。これは最も基本的な話合いのルールです。

ケンカを避ける

また,双方が同じことを言い続けて膠着状態になったときは,それ以上続けても無駄ですし,たいていは段々とお互いに感情的になって,ケンカとなり,ますます合意は遠のきます。話合いは合意を形成するためにするのであって,双方が自分の意見を主張し続けることは話合いではありません。そういうときに話を打ち切ってお互いに冷静になるための時間を持つのは当然の対応です。

自分の正当性を主張するだけでは夫婦であっても相手を説得できません。むしろケンカになって精神衛生上悪いので,夫婦円満を求めるならばお互いに自分の意見を少しずつ譲り合うことです。主張し合うよりは譲り合った方がいい結果を生みます。

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