弁護士費用が数倍違ったのはなぜ?

もう10年以上前のことだと思います。ある事件を交渉から始めて一年くらい経ったとき、偶然のことから事件の相手(当事者本人)がその依頼している代理人弁護士に対して支払っている金額が合計で200万円であることが分かりました。その同じときに私が受け取っていた金額は着手金30万円だけだったので、どうしてこんなに金額が違うのか不思議でした。私の方の30万円という金額はごく普通の弁護士費用でしたから、どうして相手の代理人弁護士が数回に分けて合計200万円も取れたのだろうか?

私の場合、離婚事件の交渉や調停の着手金は報酬基準だと30~50万円となり、裁判になると40~60万円ですが、これは交渉事件を受任したら30万円、裁判になったらさらに40万円が追加で必要というのではなく、差額の10万円だけ請求しています。だから、もしこういう安くなる解釈をしていない弁護士事務所だと、裁判になった時点で私だと40万円、他の事務所だと70万円払っていることはありえます。離婚事件と同時に、婚姻費用の請求をするような場合は、それぞれが別々の事件として別々に弁護士の着手金や報酬金がかかるのが原則です。しかし、あまり時間も手間がかからなかった場合には報酬段階でそれなりに減額することもありますが、そういう配慮をしない弁護士も増えていると思います。弁護士の人口増加は、弁護士の質の低下や競争による費用の低下をもたらす可能性と同時に受けた事件についてはできるだけ費用を回収しようとする弁護士が増えることも予想されるのです。私はかかった時間や手間と得られた利益を考えて適正な弁護士報酬となるように考えています。

また、離婚ではなく金銭請求事件だと対象の金額の何%という決め方になるので、これは大きく変わらないことが多いのですが、たとえば慰謝料1000万円を請求するというときに、裁判例から考えて判決になっても1000万円取れる可能性が全くないときには、1000万円を基準にすると着手金が高くなりすぎるので、着手金はもっと安め設定しておいて、金額が確定した報酬段階で清算して適正な弁護士報酬額にすることがあります。こういう配慮をしない弁護士だとずっと高くなるでしょう。弁護士費用はホームページで宣伝しているだけではよく分からないところが残ります。

弁護士の着手金と報酬金は以前、弁護士会が報酬基準を決めていたときの基準に準じているのがほとんどなので(私もそうです)、誰がやってもそれほど大きくは違わないことが多いですが、弁護士費用の決め方は全く自由で一律に決まってはいないので、実際は弁護士により差があります。横浜で考えると大体6~7割の弁護士は私と同じ程度の弁護士報酬となりますが残り、3割くらいの弁護士はもっとずっと高いようです(3~4割高めでしょうか?)。東京の場合はおそらく高く請求する弁護士の割合がさらに高いでしょう。地方に行くと弁護士費用は安めになるのが一般的です。それにしても同じ事件の両側の当事者で弁護士費用が6倍も7倍も違うのは理解しがたいところです。先方は何か別の事件の代理人ももやっていたのでしょうか。そこまでは分かりませんが不思議でした。

離婚問題

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