浮気、不貞とは何?

社会生活では「恋人が浮気した」という話はよく耳にするところです。ユーチューブ動画でも、付き合っていた人が他の人と浮気した、許せない、などという言葉がよく出てきます。

しかし、法律的には、浮気(不貞)というのは、法律的に結婚した配偶者のある人(つまり「夫婦」)が配偶者以外の人と性的な関係を持つことをいいます。つまり婚姻届けを出していなければ法律上の夫婦ではありませんし、浮気にもならないのが原則です。単に付き合っているだけの恋人関係であるときは恋愛は自由ですから、恋人が他の男(女)と付き合いだしても仕方のないことであり、普通は法的な責任を発生させることはありません。

ただし、単なる恋人という関係を越えて、内縁関係にあるとか、すでに婚約している場合などは、まだ夫婦にはなっていませんが、夫婦関係に準じてある程度保護されるべき法的関係にありますので、相手が他の人と性的関係を持つことによって内縁が解消されたり、婚約が破棄されたりすると、不法行為として法的責任(慰謝料)を発生させることもありえます。単に付き合っているだけでは浮気にならないけれど、もう少し交際の段階が進んでいると、ある程度は保護されるということになります。

内縁というのは実質的には夫婦だけれども入籍はしていないという状態のことなので、これも一般社会で言われている内縁とは少し意味が違うかもしれません。内縁は婚姻に準ずるものとして一定の保護が与えられます。

結婚する前の婚約しているときも、やはり一定の保護があります。婚約の場合は、結婚しようという約束がありますから、約束はまもらなければいけません。それが保護に値するのです。問題は、いつ、婚約が成立したか?です。何かの出来事があって、いつ婚約したかが明白なときもあれば、あまりはっきりしない場合もあるので、よく検討する必要があります。たとえば婚約指輪を渡した、相手の親に婚約した挨拶をした、結婚式場の予約をした、などいろいろな事実から婚約が認められることになります。婚約していたのを二人の合意で「やっぱりやめよう。」となったときは何の問題もありません。しかし、婚約の不当破棄となる場合は慰謝料が発生します。たとえば婚約していたけれど、やっぱり他の異性と結婚したいといって一方的に結婚の約束を破った場合などです。婚約の不当破棄の場合の慰謝料の金額は、普通は100万円は超える場合が多いので、何十年結婚してから離婚した場合もせいぜい200万円くらいしか認められないことと比べると、とても高く感じます。婚約期間は普通は半年とか1年とかそんなに長くならないですからね。とにかく、婚約は慎重に、婚約したらきちんとしましょう。

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