スポーツスターは気軽に乗れる
ハーレー スポーツスターは、ハーレーの中では一番小さな883ccのエンジン、小さくて軽い車体(260kg)で乗りやすく、そのうえ求めやすい価格で人気、一番多く売れているハーレーでしょう。スポーツスターは、「スポーツ」と言うようにハーレーの中では最も軽快に走れるバイクです。ハーレーの中でも大型のツーリング系のバイクでは車庫から出すのも一苦労ですが、スポーツスターは気軽に乗り出せて、取りまわしが楽、乗る回数が増えます。それに小さくてもハーレーなので国産車とは全く違うバイクに仕上がっていて、音、振動、クラッチレバー、バンク角など、設計思想が根本的に違うことを教えてくれます。
スポーツスターの回り方
スポーツスターに乗り始めたとき、なかなかコーナーが回れませんでした。昔、バイクに乗っていたときの記憶で、バイクを倒して回ろうとしていたのですが、うまくいきません。ずいぶん練習し考えたところ、色々と気がつきました。まず、ハーレーはバイクを倒してコーナーを回るバイクではないのです。もちろん全くバイクを倒さないわけではなく、コーナーの最初ではバイクを傾けて後輪で曲がり始めます。しかし、バイクが傾き始めると、今度は前輪が大きくコーナーの内側に向きを変えるのです。バイクを傾けると後輪ステアでコーナーの内側に向きを変え始め、次いで前輪が内側に曲がりだすこと自体はどんなバイクでも共通の動きですが、ハーレーの場合はこの前輪の動きが大きいのです。長くて重いハーレーの車体は前輪で曲がると言ってもいいのです。これを積極的に利用しないとハーレーではスムーズに曲がれません。
もう一つ、うまく曲がれない大きな原因が自分にありました。ハーレー乗りには、腕をまっすぐに伸ばしてハンドルを握るポジションの人が多く、私もそうでした。腕をまっすぐに伸ばした姿勢は、意外にもクラッチを握る左手が疲れにくいのです。これは、一度、ハンドルを少し手前に傾けて、腕をゆるやかに曲げるポジションにしてみたところ、一時間の運転でクラッチを握る手が疲れてきたので実証済です。ところが、この伸びた腕が、前輪がコーナーの内側に向きを変えるのを妨げていたのです。たとえば、右コーナーの場合、前輪が右に曲がろうとするので、同時に、前輪に付いているハンドルも右に回転を始めます。このとき両腕が伸びていると、右手はハンドルが手前に接近してくるのでいいのですが、左手はハンドルが右回転しようとするのを妨げてしまうのです。箱根の芦ノ湖スカイラインを走っているときに、このことに気がつき、それからは、曲がるときには少し上半身を前に傾けることで両腕に余裕を作るようにしています。快調です。