法科大学院の年内最終授業が終わりました

昨日、法科大学院における年内の最終授業が終わりました。刑事模擬裁判という最上級生対象の実務的な授業です。架空の刑事記録を利用して、裁判所、検察官、弁護士の三役に分かれ、裁判の準備を入念にして模擬の刑事公判を行います。被告人や証人役は下級生に協力してもらいます。この授業の履修者からは司法試験の合格者が続いていますが、それは模擬裁判の準備を通じて刑事訴訟法の手続や裁判の手続に詳しくなり、教科書で学ぶだけの知識がより実践的な知識と結びついて理解が深まるからではないかと思っています。

法科大学院で教えるようになって10年になります。関東学院は小規模な法科大学院ですが学生や教授の質は高く、これまでに多くの合格の実績も出してきました。また、本当に人格的に優れた学生が多かったので、法律家の途に進まなかった人も、皆さん社会で活躍されています。司法試験の合格者だけでなく社会に送り出した学生の全員がわれわれ教員の誇りになっています。これは関東学院法科大学院の誇りです。

大きな法科大学院では2年制の既習者を募集するときには入試で法律の試験ができるので、既に法律を勉強している優秀な学生を集めることができます。しかし、小さな法科大学院は3年制の未習者が中心で、未習者を募集するときは入試で法律の試験ができません。本当は、2年制の既習者という入試を一切やめてしまうのが法科大学院間の公平のためには一番いいのです。