離婚弁護士 選び方
離婚は早めに弁護士に相談すべきです。相談する弁護士は探すにはいろいろな方法があります。弁護士の知り合いに相談する、親・兄弟、友人・知人、上司など交友範囲の広い人の紹介を受ける、弁護士会の法律相談を受ける、ネットで探す。今はスマホやパソコンでネット検索して離婚に関する情報を入手し、弁護士も探す方が多いでしょう。
離婚情報検索
私が何か買ったり調べたりするときは、最初にネット検索を利用します。ネット検索を有効に利用するには、キーワードを適切に選ぶことが大切です。そうして検索した検索上位には広告費を払ってトップに掲載しているサイトや検索サイトが表示されてしまうので、それらは全てパスします。 離婚情報を検索するとき、「離婚」だけで検索するとあまりにも多数の情報が錯綜してしまうので、「離婚 慰謝料」「離婚 養育費」などのキーワードを複数入れて検索することが多いようです。しかし、ネット情報の信頼性は一般的に低いので出てきた情報はそのまま信用しないで必ず確認しなければいけません。情報の発信者が氏名や住所等を明示していて信頼できる立場にあることが最低の条件です。とくに、コミュニティサイトに出てくる質問に対する一般からの匿名の回答の中には、全く知識のない者が書いたデタラメ情報が多数含まれているので注意が必要です。
弁護士の検索
法律相談をするための弁護士を探すには自宅の近くの弁護士だけが出てくる様に地域を絞る必要があります。そこで、検索キーワードに「横浜」などの地名を入れて検索します。そうして出てきた弁護士事務所のどこを選ぶか、いい弁護士をどうやって見つけたらいいのでしょうか。 弁護士の信用 ネットで買物をするときは取引相手の信用度を測るためにネットショップの住所、法人名(個人名)等を確認します。では、弁護士の信用はどうしたら分かるでしょうか。嫌な話ですが過去に弁護士会により懲戒手続などを受けているということは、その弁護士が過去に何か問題を起こしたことがあるということになります(懲戒請求されただけて終わっている場合は何も問題ありません。不当な懲戒請求は珍しくないのです。)。弁護士会の委員会活動(これは無料奉仕です)やその他の社会的な立場や役職を担当してきたということは、それなりに弁護士会や社会から信頼されてきた証ということができます。これらはネットでも知ることが可能な情報です。最後は本人に会ってみて判断するしかありません。
大きな事務所がいいか
小さい企業よりは大企業の方が信用されがちです。法律事務所も大きな法律事務所の方が信用できそうな気がしますが、離婚事件では事務所の大きさはあまり関係ありません。そもそも、どんなに大きな事務所であっても一つの離婚事件は一人の弁護士が担当するものです。複数の弁護士が関与するのは関係者が多数であるとか、大きくて複雑な事件とか医療過誤事件などに限られるのです。むしろ複数の弁護士が所属する事務所では経験の少ない若い弁護士が離婚事件を担当することが多い様です。 大企業を主な顧客としている事務所や外国の関係する渉外事件を中心とする事務所、知的財産権を主に扱う事務所などは、離婚などの一般市民の事件を扱いません。そういう事務所でも顧問先企業に対するサービスの一環としてその役員等の個人事件(離婚事件)を引き受けることがありますが、弁護士費用が高いだけでお勧めできるようなものではありません(率直に言って、東京の法律事務所は横浜の事務所と比べて明らかに割高な請求をします)。 マスコミ等を使って大きく宣伝をしている法律事務所が信用できるということはありません。所属する弁護士の人数が増えると仕事を大量に受け続けていかないと事務所が経済的に破綻してしまいます。それを防ぐために多額の宣伝費をかけているだけだからです。離婚分野に限りませんがマスコミで大きく宣伝している事務所やネットでこの道の専門だと称している事務所の中には、弁護士から見ると決して評判の良くない法律事務所も存在するのです。
弁護士の年齢
若い弁護士の場合、知識と経験はなくても、その分かえって一生懸命やるのではないかという期待がありますが、刑弁センターの委員長をしていた時の経験から言うと、全くの新人弁護士なのに自信過剰な人物は相当数存在するので油断できません。弁護士という肩書さえあれば、自分の能力を考えずに何でもできると思っている人が存在するのです。また、離婚の場合、夫婦関係や子供のことが全く分からない弁護士だと依頼人に共感することができません。法律的手続を知っていても夫や妻としての気持ちや子供に対する気持ちを理解できないのでは適切なアドバイスは難しいでしょう。
法律相談を受けてから決める
最終的には、あなたに合った弁護士はあなたが直接、面談して決める他ありません。一度、法律相談を受けてみてから決めましょう。法律相談ではまず、あなたの話をよく聞いてくれることが大切です。話を聞かなくては法律相談は始まりません。次に、あなたの気持ちを理解したうえでアドバイスしてくれること。法律問題はあなたの希望どおりにいくとは限りませんから、あなたが望んだ回答をしないからといってマイナス評価をするのは間違いです。あなたの希望をよく聞いたうえで、あなたの希望の実現可能性を冷静に説明してくれるのがいい弁護士といえます。 また、人にはどうしても相性というものがあります。離婚事件は半年、一年と長くかかることが多く、その間は精神的に不安な状態が続きます。だから、どうしても感覚の合わない人、信頼できないと感じる人と長期間、一緒に事件を戦うのは難しいです。法律相談のときにそういう感じを受けたときは、もう一度相談を受けてみて決めるなどの慎重さが必要でしょう。