離婚届けの書き方、注意する点
離婚の一番簡単な方法は協議離婚です。夫婦で離婚届に署名、捺印し、二人の証人を依頼して署名をもらって役所に出すだけです。離婚届けの書き方の注意です。
筆記用具
離婚届を書くときは鉛筆や消せるボールペンは使えません。油性の黒色ボールペンを使うのが一番無難でしょう。
「届出人 署名押印」欄に本人の署名が必要(最重要ポイント)
離婚届の用紙の左頁の一番下にある「届出人 署名押印」の欄に、夫と妻が自筆でサインして認め印を押します。そして同じ認め印を左の欄外に「捨て印」(書き間違いがあったときに訂正用として使用するもの。役所は細かい間違いにうるさいので必要です。)として押します。この夫婦の自筆サインと二カ所の押印が、離婚届を書くときに一番重要な点です。これだけはきちんと守って書きましょう。ここを他人が書いたら偽造になってしまいます。
「未成年の子の氏名」欄は署名前に書いておく(2番目に重要)
離婚届用紙の左頁の中央付近に「未成年の子の氏名」欄があり、その中が左の「夫が親権を行う子」と右の「妻が親権を行う子」と左右二つの欄に分かれています。あっさりと書いてあるので重要だと気がつきにくいですが、別れた夫婦のどちらが子どもの親権者になるかはこの欄の書き方で決まってしまいます。したがって、この欄を空白にしたままで署名押印した離婚届を離婚する相手に渡してしまうと、親権者欄を相手に勝手に書かれてしまう危険があります。親権者欄はしっかりと書いてから署名押印しなければいけません。
妻が子どもの親権者となることが多いですが、そういう場合は右側の「妻が親権を行う子」の欄に未成年者である子どもの氏名を全て書き入れます。書くスペースが狭いですが全員の氏名を書き入れます。既に成人になっている子どもの名前は書く必要がありません。成人になった後でも学生である間は養育費をもらい続けることがありますが、ここではそれは関係ありません。成人(18歳)に達しているかどうかで区別します。
「氏名」欄
ここは略字などは使わず戸籍謄本に書かれている漢字をそのまま書きます。役所というのはそういうところを気にするものですから問題にされないように丁寧に書いておきましょう。
「住所」欄
ここは離婚届に注意が書いてあるように住民登録をしている住所を書きます。住民票の住所と同じ書き方をするのが望ましいです。この欄には「番地」と「番」、「号」と書いてあり、自分の住所がうまく当てはまらない場合もありますが、できるだけきちんと書いておきましょう。簡略字は使わないようにします。
「世帯主の氏名」は住民票に書いてある世帯主の氏名をそのまま書きます。
「本籍」欄
戸籍謄本に書いてあるとおりに書きます。簡略した漢字などは使わずに正確に書きましょう。本籍を正確に覚えていない方は戸籍謄本を先に入手しておくと間違いなく書けます。また、本籍地以外の役所に出すときは戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)が必要ですから本籍地が遠方のときは先に取得しておきましょう。筆頭者というのは戸籍筆頭者のことです。戸籍謄本を見れば書いてあります。
「父母の氏名 父母との続柄」欄
夫の父と母の氏名、妻の父と母の氏名を書き入れます。ここも漢字は略字を使わずに丁寧に書きましょう。続き柄とは、長男、二男、三男・・・長女、二女、三女などのことです。
「離婚の種別」欄
これを読んでいる方は協議離婚のはずですから、□協議離婚のところにチェックを入れます。
「同居の期間」欄
覚えている範囲で正確(なつもり)に書けばいいでしょう。
「別居する前の住所」欄
「別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業」欄
該当するものにチェックを入れます。
「証人」欄
勝手に書いてしまうと偽造になるので誰かに書いてもらいます。事情を知っている家族関係の方が証人になることが多いです。離婚届の証人欄に署名したからといって何か特別の義務が発生するようなことはありませんから、あまり気にしないで証人になってもて大丈夫です。離婚届を出すときも証人に確認するようなことはありません。証人欄にきちんと記載されているかという外形的、形式的なチェックが行われます。