離婚と親権,問題の難しい点,円満解決への道

親権問題の難しいところ

離婚に伴う問題のなかでも親権はもっとも解決が難しい問題の一つです。そもそも、離婚は,離婚するか,しないか,の二者択一の問題なので中間での妥協の余地がなく,夫婦二人の納得を得るのは非常に難しい問題です。これに比べると,離婚することが決まった後の財産分与や慰謝料といったお金の問題は,まだお互いに譲り合って解決する途が開かれています。しかし、親権は,子供の身体が一つしかない以上,離婚と同様に二者択一の問題となり,夫婦の双方が満足することは難しいのです。結局,親権は,夫婦の一方が親権を得て,他方は子供との面会交流で満足せざるを得ません。場合によっては、親権と監護権を分けて解決することも考えられますが、あまり多くはありません。

面会交流をトラブルなく行うには

離婚した後、親権者でない別居している親は子供と面会することができます。ところが、面会交流でもめることも多いのです。色々と理由をつけて面会交流を認めること自体に反対したり,調停のときには調停調書上で面会交流をきちんと認めたのにもかかわらず,いざ離婚すると,事実上,面会を妨害することがあるのです。

そういったトラブルを防ぐためには,まず,夫婦で離婚を話し合うときに,徹底的にやり合わないことです。離婚の話合いといっても,実際は夫婦喧嘩にすぎないことも多いわけで,離婚を考えるくらいだから既に相手に対して多くの不満を持っているところに,さらに追い打ちをかけるように,夫婦喧嘩で感情のもつれを増やすことは得策ではありません。喧嘩のときは、相手をやっつけるとか、自分の感情を満足させることばかり考えないで、ちょっと冷静になりましょう。夫婦喧嘩がいつもエスカレートしてしまうときは,傷が深くならないうちに早めに弁護士に依頼した方がいいでしょう。

また,子供との関係を良好に保つことも重要です。小遣いをあげるとか,おもちゃをあげて子供のご機嫌をとるということではなく,親として子供ときちんと向き合い,親の不仲で苦しんでいる子供と冷静に接することです。そして,もし別居が先行しているときは,面会をきちんとしておくことも大切なことです。夫婦喧嘩をしているどちらの親も、子供を味方につけようとしたり、子供を交渉材料に使うことはしてはいけません。親の間の争いに子供を巻き込んではいけないのです。

こういった離婚後のことも考えると,弁護士に相談したり,依頼することはできるだけ早い方がいい解決につながります。

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