面会交流のときは子供が最優先

離婚後の面会交流とは

夫婦が離婚した後,親権者となった親は子供と同居して子供の世話をしているのが普通ですが、親権者とならなかった親は日常は子供と会えなくなってしまいます。そこで、子供と同居していない親は,普段は子供と接していない代わりに,ときどき子供と面会することができます。これが面会交流です。離婚するときに小さな子供がいるときは、面会の方法まで決めておくことが多いです。

たとえば月に一回と回数だけ決める、毎月の第二日曜日を原則の面会日にすると決める、面会時間を何時から何時までと決める、子供の受け渡し場所を自宅であるとか最寄りの駅などに決める、などいろいろな方法があります。それまで子供との面会が順調であるときはこんなに細かく決めません。しかし、子供を監護している親が面会に協力的ではない場合には、細かい点まで決めていきます。

調停で離婚する場合や和解で離婚する場合にも,調停条項や和解条項の中で、面接交渉について具体的に決めておきます。ただし、子供が既に大きい場合にはとくに面会まで決めておかない場合もありますし、子供が小さくてもそれまでに順調に面会が行われている場合も、とくに面会について決めないことがあります。つまり、当事者間で子供との面会がスムーズに出来ているなら面会について、あえて堅苦しく決める必要はないのです。別居後の面会がスムーズに出来ていない場合に、文章にして決めておくものなのです。別居した後や離婚した後で、色々と妨害されて子供との面会ができないときは、家庭裁判所に対して、子供との面会交流について調停を申し立てることができます。

面会交流は子供が優先

離婚した後の子供との面会については,子供の利益(福祉)を最も優先して考慮して決められます(民法766条)。面会交流の調停は子供に会いたいという親の気持ちで申し立てるものですが,その内容を決めるときは子供の利益(福祉)が最優先となります。

夫婦仲が悪かったので子供に会わせたくないというのは間違いです。子供を最優先して面会を考えなければいけません。配偶者への悪意から子供を味方につけようとしてもいけません。子供がかわいそうなだけです。

面会を実際に実施するときも,やはり子供に最大限配慮して実施していくものです。具体的には、たとえば、毎月の第二日曜日に面会と決まっていても、その日に子供の学校行事があればそれが優先しますし、子供が熱を出したら面会はやめておいた方がいいでしょう。もちろん、その日の面会がただ無くなるのではなく、面会を翌週にスライドさせるなどの融通をきかせるのが面会交流の趣旨に沿った運用となります。どんなに夫婦仲が悪くなっても子供を利用した嫌がらせはやめて欲しいものです。