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離婚における法律問題

離婚するときに発生する法的な問題点について説明します。

 

離婚するときの金銭問題 離婚するときに発生する金銭問題には次の5点があります。

 

1 財産分与(民法第768条)

2 慰謝料(民法第710条)

3 婚姻費用

4 養育費

5 年金分割

1 離婚における財産分与とは?

民法768条は,「離婚をした者の一方は,相手方に対して財産の分与を請求することができる。」と規定しています。

これを財産分与請求権と言います。

財産分与請求権には,

(1)婚姻中の夫婦の財産の清算,

(2)離婚に伴う損害の賠償,

(3)離婚後に困窮する配偶者の扶養

 

という3つの要素があります。

 

(1)婚姻中の夫婦財産の清算

夫婦が婚姻中に得た財産が離婚するときにも残っていたときは,その名義が夫名義であれ妻名義であれ,実質的には夫婦の共有財産と考えることができます。

しかし,離婚した後は生活が別々になるので,離婚するときに財産を清算して夫婦それぞれに分けるということです。

世帯の収入を稼いでいたのが夫だけで妻は専業主婦だった場合,離婚時に残った財産は夫が稼いだ金で買っています。

 

だから夫の側からすると離婚するときに「これは俺の稼いだ金で買ったから全て俺のものだ。妻の金で買った物はない。」と感じられます。

しかし,妻が専業主婦である場合,外に出てお金は稼いでいませんが,家庭の中で炊事・掃除・洗濯などの家事をしたり子育てを担当して貢献しています。

 

妻が家事をしなかったら夫が自分で家事をするか,家政婦を雇う必要がありましたし,妻が育児をしなかったらシッターが必要でした。

妻が家事や育児を担当したから金銭を使う必要が無くなり財産が残ったのです。離婚のときには専業主婦にも財産分与は認められます。

財産分与の割合 離婚のときに認められる財産分与の割合は,専業主婦の場合でも2分の1となることが大部分です。

 

では主婦が同時に働いていたときは財産分与の割合がもっと増えるのかというと,まず変わりません。

財産分与はほとんどの場合2分の1です。これが変わるのは,夫か妻が,普通の人とは違う特別に高い収入を得ていてそのために財産が形成された場合です。

自営業で成功した,会社を興して成功した,医師や病院経営で大きな財産を作ったような場合では財産分与の割合が2分の1から修正される可能性があります。

 

財産分与の対象 財産分与は夫婦が婚姻中に形成した財産が対象です。

婚姻中であっても相続で得た財産や,親から贈与を受けた財産は財産分与の対象になりません。

結婚する前に夫や妻がそれぞれ自分で貯めた預貯金は夫婦で作った財産ではない特有財産ですので対象外です。

 

財産分与は離婚したときに残った財産が対象ですから,財産が残って無ければ財産分与請求権も認められません。

結婚後に形成した財産を全て一覧表にしたところ,借金の方が多くてマイナスになってしまえば財産分与も無くなってしまいます。

親の財産は無関係ですから配偶者の親がどんなに資産家であってもそれが財産分与に反映することはありません。

 

熟年離婚と財産分与 最近は50代,60代,あるいはそれ以上の年齢の方の熟年離婚も増えています。

熟年離婚は,不動産,預貯金,退職金など結婚してから夫婦で形成した財産が大きなものになっているので財産分与が大きな問題になります。

目の前に迫った老後の生活がかかっていますから皆さん真剣です。財産分与で大きな問題は対象となる財産を隠されてしまうことです。

 

財産については裁判所を通じて調査嘱託なども可能ですが金融機関も分からなければ無理ですし限界がありますので,もめる前にできるだけ具体的な財産資料を集めておかないと不利になります。

 

(2)離婚に伴う損害の賠償

財産分与には慰謝料的要素を含めてもいいとされています。

慰謝料というのは精神的損害に対する賠償のことで,本来の財産分与とは少し趣旨が違います。

財産分与という名目で大きな慰謝料が請求できるということではなく,金額として融通がきくので調整要素としての性質が大きいかと思います。

 

(3)離婚後に困窮する配偶者の扶養

財産分与には離婚する配偶者に対する離婚後の扶養の要素を含めてもいいとされています。

しかし,これも財産分与の本質とはいえませんので調整要素としての性質が大きいと思います。

 

離婚によって収入の少ない配偶者の生活は大きく低下することが多いので扶養的要素を考えることは合理的なのですが,あまり大きな期待はできません。

 

(4)財産分与は2年以内

財産分与の請求は離婚のときから2年以内にしなければならないという短い期間の制限があります(民法768条2項)。離婚と同時に財産分与も決めてあればいいのですが,事情があってとりあえず離婚だけ決めて籍を抜いてしまった場合には注意が必要です。

離婚すると生活が大きく変わりとても忙しいので2年間はアッと言う間に過ぎてしまいがちなのです。

 

(5)財産分与と税

財産分与として不動産を譲渡した場合は,財産分与をした方に譲渡所得税がかかるので注意が必要です。金銭を渡した場合には譲渡所得税はかかりません。詳しくは税理士にお聞きください。

まとめ 財産分与の一般論は以上のとおりですが,離婚に伴う財産分与は実際のケースの一つ一つで違います。できるだけ早く法律相談を受けることをお勧めします。

 

まとめ

財産分与の一般論は以上のとおりですが,離婚に伴う財産分与は実際のケースの一つ一つで違います。できるだけ早く法律相談を受けることをお勧めします。

2 離婚と慰謝料(民法第710条)

慰謝料とは精神的な苦痛に対する損害賠償のことです。

離婚の場合では,慰謝料とは離婚について責任のある者が配偶者に対して支払うべきものです。ただし,離婚すれば必ず慰謝料が発生するわけではありません。

性格の不一致などの場合はどちらに離婚の責任があるということもできませんから離婚はしても慰謝料は発生しません。

 

離婚において認められる慰謝料の金額は世間で思われているほど高額ではありません。もともと日本においては慰謝料に対する評価が低いのです。

離婚で認められる慰謝料の金額は,婚姻年数が何年か,離婚原因は何か,有責性の大きさ・悪質か,支払う人の資力などによって変わってきます。

 

離婚と同時に不倫相手に対する慰謝料も請求できる 配偶者に不貞行為があるために離婚を請求するときに,同時に不貞行為の相手に対して慰謝料を請求するときは,同じ家庭裁判所で同時に提訴することができます。

 

離婚の原因となった事実によって発生した損害賠償請求事件(慰謝料の請求)は法律上,同じ家庭裁判所で審理することができるのです(17条)。

 

離婚裁判を起こすときは、普通、離婚、親権者指定、慰謝料、財産分与、養育費、年金分割等の全てを一度に請求して一回の裁判で解決するものです。

 

3 離婚までの生活費(婚姻費用)

離婚する前に夫婦が別居すると,それまでは夫婦が共通して生活費を出していたところ生活が別々になるので,日々の生活費をどうするかという問題がでてきます。

夫婦双方に充分な収入があれば大きな問題にはなりませんが,夫婦の収入に大きな格差があり,自分の収入では生活ができないときは,離婚するまでの期間,収入の多い配偶者から生活費を払ってもらうことができます。これを婚姻費用といいます。

 

その金額は、夫婦双方の収入や子供の年齢や人数などによって決まります。

家庭裁判所には婚姻費用の算定表があり,特別の事情がなければその算定表にしたがって婚姻費用の金額が決まるのが普通です。

 

算定表は当事務所にもありますしネットで見ることもできます。婚姻費用には,配偶者の生活費と子供の生活費が含まれます。

このうち子供の生活費は離婚後も養育費として存続しますが,配偶者の生活費は離婚した時点で扶養義務が終わるので終了します。

 

生活費が不足すると直ちに困るので婚姻費用分担調停の手続は家庭裁判所でも早く進めてくれるものです。

収入の多い配偶者としては,配偶者が自分で出て行ったのに生活費を要求されて気持ちのいいものではないかもしれません。

 

しかし,離婚せずに夫婦でいる間に婚姻費用を払わないと夫として,父としての法律上の義務を果たさないと見られることになり,離婚の裁判で裁判官に不利な心証を取られる危険があります。

法律上の義務はきちんと果たしておくべきです。

相続の法律相談

4 養育費

婚姻費用は離婚が成立するまでのことですが,離婚した後は未成年の子供の養育費が問題になります。

養育費の金額は別れた夫婦双方の収入や子供の年齢,人数によって一定の基準があります。

 

養育費についても家庭裁判所では養育費算定表を使用しており,基本的には算定表の範囲内の金額となります。

特別な事情があるときは算定表の範囲を超えて修正されることがあります。養育費の色々な事例についてはブログに詳しく掲載していますので参照してください。

5 離婚後の年金分割

離婚時に厚生年金や共済年金の年金分割ができます。

厚生年金の年金額が,働いていた人の就労期間や賃金の金額を基にして決まるため,中高齢者が離婚すると,、現役時代の男女の雇用格差(夫が勤務を続け妻が退職することが多いこと),給与格差(男女ではまだ賃金格差が大きい)のために,離婚後の夫婦の年金取得額が大きく違ってしまうという問題を解決するための制度です。

離婚後に年金分割の対象となるのは「厚生年金や共済年金の報酬比例部分」(いわゆる二階部分)で,そのうち婚姻期間中の夫婦の厚生年金保険料納付記録を離婚した場合に当事者で分割することが認められます。

 

夫が厚生年金か共済年金の場合で,婚姻期間中に夫が長期間,勤務していたために,夫が受け取る年金額と妻が受け取る自分の年金額が大きく違う場合には非常に役に立ちます。ただ,夫が受け取る年金の半分の金額をもらえるわけではありません。

 

離婚するときに夫婦で年金分割について話合いがつかない場合は調停や審判を利用する必要が出てきます。

 

この制度が始まる以前の時期に年金を納めた部分について分割割合をどうするかという問題が残っています。夫婦の合意で割合を決めて分割することになりますが,合意が出来ないときは家庭裁判所が分割割合を決めてくれます。

 

そして,申し立てればほぼ自動的に裁判所が2分の1の分割割合を認める扱いが多いです。

 

なお,年金分割を求めていくには「年金分割のための情報通知書」を年金事務所で取得しておくことが必要です。これを先に用意しておきましょう。

 

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